どうせ死ぬんだから 【感想・書評】

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本の紹介
著者:和田秀樹 発行所:SBクリエイティ 2023年
高齢者専門病院の精神科医をされている和田医師は、自身の体調不良により死を覚悟させられた時に、「長生きする」ことよりも「人生を楽しむ」こと優先された。多くの高齢者と関わる中でのエピソードや他国での実態を踏まえ、自身の人生観が書かれている。

書評のきっかけ
なかなかのインパクトがある書名ではあるが、著者が医師であり、看護師の私にはとても興味深いものだった。同じ医療従事者として、共感できる部分が多々あったので、私の経験も含めながら書評したいと思う。

印象的な箇所
・スウェーデンでは寝たきり老人がいない
・ピンピンコロリはある意味突然死
・和田流「ご・く・じ・ょ・う・の・し・に・か・た」
・太めのほうがやせ型よりも長生きする
・自分で決める、医者の言いなりにならない

学んだことや感じたこと
私も病院勤務の経験の中で、多くの高齢者の看護に携わってきた。病棟で70代80代でも抗がん剤治療を受ける高齢者が多く、弱っていく患者さんを看ていく中で、医師は治療をしない選択肢や抗がん剤治療によるQOL低下のリスクがあることを果たして伝えたのか疑問だった。
死を見届ける場面も何度か経験した。とても苦しそうで見ているのが辛かったが、この本を通じて「意識が低下して眠るように死んでいくから、痛くも苦しくもない」という、臨床の場面を振り返り結び付けて考えられるきっかけとなった。
私自信も持病があり病院通いしている。幼少期は、近所のおじいさんの先生(医者)が幅広く診てくれていたことを思い出す。現在は臓器別診療の不便さ、初診でも触診しない、5分診療など、疑問を感じる時が多い。だからこそ、人間全体を診ることができる医者を探したいが、まだ見つけることができていない。
医師にかかるとき、疑問点は気兼ねなく質問できる・自分の思いを聞いてくれる・全人的にみてくれる経験豊富な町医者を探したい。

まとめ
この本は、60歳以上の方にはしっくりくると思う。私はもう少し若い世代なので、自分に置き換えた時に、当てはまらまい箇所も正直あった。しかし、老後の死生観を考えるに当たり、早くから準備できることもあり、また自分のことだけではなく、親と話す時に一緒に考える内容も盛りだくさんある。医療従事者の方も患者と関わる中で、見方が変わるかもしれない。
中年期以降の方、高齢者と関わる医療従事者には、ぜひおすすめしたいと思う。

印象的な箇所については、ネタバレにならないよう敢えて箇条書きにしています。
ご興味のある方は、本書を手に取って読んでみてください。

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